2009.12.23(水)

一美のこと

「一美」と書いて「いちみ」と読みます。
「かずみ」じゃないよ、「いちみ」だよ。
それは、土手にいたかわいい三毛猫の名前。

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2009年12月2日の朝、ぽちゃりとの散歩中の出来事。
川沿いの土手にかかっている橋のたもとで時々見かけるノラの三毛猫ちゃん。小さい体、真ン丸お目々の三毛猫ちゃん。ぽちゃりが近寄っても全然逃げない。撫でてやれば目を細めるかわいい三毛猫ちゃん。
ついこの間、カラスにエサを横取りされているところを助けてあげたんだけどその時はいつも通りのパッチリお目々をしていたのに、今日は眼ヤニで両目がふさがっちゃっている!
鼻もグズグズ、くしゃみをクシュックシュッ。
ちょっと風邪をひいてしまったんだろう。明日の天気予報は冷たい雨。こんな状態で雨に打たれたら悪化させてしまう。風邪が治るまでうちに入院させてやろう。3日か、長くても一週間くらい・・・

病院に連れて行って体重を測ったら1.8Kgしかなかった。
それにひどい脱水症状。注射を打って点滴してお薬出してもらった。

翌朝、外は予報通り雨。
こんな病気の猫ちゃんを外で過ごさせることにならなくて良かったんだと少し満足すると同時に、その引き受けてしまった命の重さに、少し戸惑う私がいた。

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それからは治療の日々。
クシャミが減ってきたり、血液検査をしたらエイズ・白血病は陰性だったり、嬉しいこともあったけど、激しい下痢は治まらない。一日6回も7回も下痢をする。鼻水・涙目も治まらない。
そして、まったく食べてくれない・・・

三毛ちゃんがいつも居る橋の下で暮らしているホームレスのおじさんに話を聞いてみた。

「あの三毛は2,3年前から見かけてる。おとなしくて人に慣れてるから通りすがりの人が時々エサをあげているみたいだけどカリカリも缶詰もあまり食べない。
1年ほど前、いつもあの子にエサをあげに来ていた親子連れがあの子を家に連れて帰ったのに、数ヵ月後、またここに戻しに来た。それっきりその親子の姿も見ない。
2週間ほど前から眼ヤニだらけでおしりがいつも汚れていた。病気なんだ。」

こんな話だった。
この子の食が細いのは元々らしいが、食べないのに下痢ばかりしてたら弱ってしまう・・・。

食べない日が続いていた4日目のお昼。
私が「みそ煮込み鍋焼きうどん」を食べていたら三毛ちゃんがニャアニャア鳴きながらすごい勢いでピョンピョンッとテーブルの上に乗ってきて、鍋焼きうどんに顔を突っ込み、ガッツガッツと食べ出した!!
こんなもの猫にはよくないけれど、何も食べないよりはマシだろうとある程度食べさせてやったが、おみそやうどんはまだいいにしても、薬味に一味唐辛子を入れてしまっていたことを私は後悔した。


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ジュニアと三毛ちゃん

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タマちゃんと三毛ちゃん
この時タマちゃん実は極度に緊張。直後にゲロを吐いた。



風邪が治ったらノラに戻そうと思っていた。でも偏食な上に下痢体質。
こんな子をノラに戻すのは忍びない。かといってうちはもう、タマちゃん・ジュニア・ぽちゃりでいっぱいなんだよ。もらってくれる里親さん探そうか。でもこういう猫をもらってくれる人なんて、そうそういないものなんだよ・・・。
三毛ちゃんはホットカーペットの上でかわいいイビキを立てながら眠っていた。

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12月8日。
三毛ちゃんがうちに来て6日が経った。
名前、何にしよう・・・。
鍋焼きうどん食べちゃったから「うどんちゃん」。
いや、一味唐辛子入りのうどんを食べちゃったから「いちみちゃん」!
でも「一味」じゃなくて「一美」にしよう。
一番美しいから「一美」。いい名前だ。
三毛ちゃんにあげるための猫缶をいっぱい買ったスーパーからの帰り道、私は一人そんなことを考えていた。

この日も夕食はまったく食べてくれず、ベッドの中でうずくまっていた。
夕方点滴を打っておいたから無理に食べさせることもないだろう、と、そのまま寝かせてあげることにした。

数時間後、三毛ちゃんが何やら「ニャゴニャゴ、ウゴウゴ」声をたて出した。
ケージの中をのぞき込んだら、横になってかわいい両手をベッドの脇にチョコンと乗っけたまま寝ている。
「あの子、寝言言ってるんだ。かわいいなあ。」

かわいいなあ。

うちの子にしよう。

私は、そう、心の中で決めた。


翌日の朝、三毛ちゃんのいるケージをのぞき込んだら昨日寝言を言ってた時と同じ姿勢のままで寝ている。

同じ姿勢・・・

「しまった!」と思った。

急いで三毛ちゃんの体に手を当てる。

冷たくて、動かない。

死んでいた。


「うちの子にしようと思ってたのに!名前だって決めてたのに!
一味唐辛子の“いちみ”。一番美しいって書いて“一美”。
そうしようって決めてたのに!
まさか死ぬなんて!
一美、一美ーーーーーー!!!」

昨晩聞いた声は寝言なんかじゃなかったんだ。あれは死ぬ間際の、断末魔の声だったんだ。


命名した日が命日となってしまった一美。
一週間しかうちに居なかった一美。
でも、一美は確かにうちの子だった。家族だった。
だから下痢でもいいから、人間の食べ物しか食べなくてもいいから、生きていて欲しかった。


生前の一美に関わってくれていた人たちに一美が亡くなったことを告げると、皆
「ノラだった子が最後温かいおうちで暮らせてよかった」
「死んで泣いてくれる人がいてあの子は幸せよ」
と言ってくれて少し慰められるけど、
だけど私は、もっと一美と暮らしたかった。

一美、一美、もう一度会いたい・・・。



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生きている一美を撮った最後の1枚。
うちの子が皆写っている。一美は確かにうちの子だった。


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一美最後の写真。
一美の遺体に寄り添うぽちゃり
「一美ちゃん、遊びましょうよ。ねえ、一美ちゃん・・・ ・・・」
│posted at 16:38:33│
登場人物 1

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ぽちゃり(POCHARI)
オス犬 乙女座B型
ベロ長足長鉄道マニア
好きな食べ物:バームクーヘン

 
登場人物 2

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ジュニア(JUNIOR)
オス猫 牡羊座AB型
顔は良いけど心は悪い
趣味:女装、呪術

 
登場人物 3

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タマやん(TAMA)
メス猫 山羊座 FIV(猫エイズ)陽性型
ノラの国からやってきた
極秘情報:実は二児の母
2012年6月 没

 
登場人物 4

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シズ夫(SIZUO)
オス犬 水瓶座A型
元気なおじいちゃん
特技:パンダの赤ちゃんのものまね
2013年4月 没

 
登場人物 5

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マオチュケ(MAOSUKE)
オス猫 牡牛座A型
永遠の少年
言っておきたい事:キジトラじゃないの。
キジシロよ!

 
登場人物 6

neraimage

飼い主1
69年生まれ 女
当blog管理人
特徴:ガニまた

 
登場人物 7

ojiimage

飼い主2
68年生まれ 男
ぽちゃりのお抱え運転手
好きな食べ物:キャベツ