今年のGWはどこにも行かなかった。
どんな行楽地より、我が家がいちばん楽しい場所だったから。
おじいちゃんのいる我が家が、
私がいちばんいたい場所だったから。
そんな我が家に、久しぶりにタマちゃんが帰ってきた。
「ふぅ・・・。」
「おじいさん、だいぶ手こずらせてくれたねぇ・・・。」
「さ、そろそろ行くか・・・」
「おじいさん、ちゃんとあたしの後に付いてくるんだよ。」
「でもさ・・・」
「おじいさん・・・!」
「よく頑張ったよ、ホント・・・。」4月29日、シズ夫、死す。
かわいかった。
ただ居てくれるだけで幸せだった。
ずっと一緒に居たかった。
でも、もう、誰が見たってずごい高齢。
むしろ、長生きし過ぎたのだ。
シズ夫の手も足もチンチンも、
肺も心臓も腸も膀胱も、細胞の一つ一つまでも、
「こんなに使ってもらって満足です!」って思っているだろう。
うん。寿命だ。
仕方ない。
シズ夫は捨て犬だった。
年老いてから捨てられた犬だった。
我が家で過ごした年月は3年と2か月。
だから、もとの飼い主と暮らした年月の方が
ずっとずっと長いだろう。
決して、要らなくなって捨てられたのではないと思う。
何か事情があったのだろう。
もとの家庭でもかわいがられていたのだろう。
でも、おじいちゃん、
忘れないでください。
私たちはこの世の誰よりも、おじいちゃんのこと大好きでした。
本当に大事に思ってました。
だから、おじいちゃんはうちの子です!
うちの子として旅立ったんです。
あの世で元の飼い主さんに会うこともあるでしょう。
甘えてください。なつかしんでください。
でもそのまま一緒に行かないでください。
待っていてください。
私たちのことを、待っていてください。
うちの子なんですからね。
うちの子なんですからね。
あの世でも一緒に暮らしましょう、ね、おじいちゃん!
分かっちぇおる。 分かっちぇおるよ。
わし、待ってるきに。
じゃから、安心して
わしみたいに長生きしいやー・・・